お弁当の中身の教育学

山下幸二

2023年06月09日 18:41




カテゴリーに【教育】があるかと思ったら、無くて、
あんまり「教育」に関して書いてなかったのかなぁと思う。

とはいえ、
溢れ出る「教育」を感じていた人も多いに違いない。

いや、空の写真ばかりなので、そうでもないかもしれない。

ちょっと教育を齧った人間っぽいことを書いてみようと思う。


教員になれば「授業研究」「教材研究」「授業づくり」なんかを経験せずにはいられない。
なぜなら、それが教員のお仕事で、
僕はかねがね教員は、
クリエイターであり、エンターテイナーでなければならないと思っている由縁でもある。


教室というライブ会場で、
授業というライブをするわけで、
お客ではないけれど、児童・生徒の反応に柔軟に対応できる教員はとても優秀だと思う。
授業も自分のスタイルに合った内容に変えた方がよい。

そういった中で、
「授業をつくる」という作業は自ずと必要になる。
マニュアル通りにやる方法もあるけれど、
教員免許を取得するために一度くらいは授業をつくったことがあるだろう。


授業づくりにも個性が出る。

一番多いのは、幕の内弁当のような授業じゃないかなと思う。



良し悪しは置いておいて、
たくさんのおかずで授業者は満足する。

僕が目指す授業は、日の丸弁当だ。



いかにシンプルにするかに注目する。


見た目的には、幕の内弁当の勝利。
内容に関しても、幕の内弁当の勝利。
児童・生徒の満足度も幕の内弁当の勝利。

かもしれない。


授業はエンターテインメントでライブであるべきだが、
教育は豪華である必要はない。

日の丸弁当をどううまく食べせるのかが授業者の力量である。

なぜ、そんなリスクをおかしてまで、日の丸弁当を選ぶのか。
ここに教育の本質があると思っている。


数日後に、子どもたちにお弁当の中身はなんだったか聞いてみて欲しい。
幕の内弁当では、品数が多すぎて解答は多岐にわたる。
すべてを答えられる子どももいれば、そうでない子どももいるだろう。
すべてを答えられる子どもは地頭が良いので放っておいても勉強ができる。

日の丸弁当のおかずはなんだった?
と聞けば、
「梅干」
としか答えようがない。
もちろん、それでも忘れてしまう子どももいるだろうけれど、
シンプルなほどに子どもの記憶には鮮明に残る。

これが教育だと思っている。

いかに子どもの記憶に残すか。
子どもの脳に傷痕を残せるか。

豪華な授業など必要ない。
もちろん、質素でつまらない授業もいらない。
質素な授業にうまい味付けをしている授業を見ると、
『この先生やるじゃないか。』
と思うけれど、
あんまり会ったことはない。


教師はどうしても幕の内弁当を出してしまいがちなのだ。
だって、子どもが喜ぶんだから。

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