沖縄県内の歴史ある建築物のガイドをしているので、
ある程度、沖縄について教養が求められる立場だと思っています。
知識と教養の違いってのは僕の中では難しいのですが、
知識をもう少しうまく活用するのが教養のイメージです。
さて、イラストを見てツッコミを入れたくなる人は、
しまくとぅばやうちなーぐちのことをよく知っている人だと思います。
「はいさい」は男性が使う言葉で、
女性が同じ意味の言葉を使う時は「はいたい」になります。
よく知らない人で沖縄の歴史や観光に関わらない人が、
「はいさい」と「はいたい」を使い分けられないのは、
僕としては、別に構わないのかなと思っています。
ただ、沖縄の歴史や観光に関わる人は知っておいた方が良いのかなというのが僕の考えです。
観光までは別にいいのかもしれませんが、
歴史に関わる人は、ある程度は知っておかないと違和感を感じる人もいるように思います。
僕も最近知ったのですが、
「ゆたしく」は最近できた造語のようです。
言葉というのは常に変化しつづけるもので、
ある意味で多数派こそ正義でもあります。
なぜなら、言葉自体がコミュニケーションの道具なので、
お互いに共通認識している意味が、その言葉の意味になっていきます。
僕は「八方美人」の意味の八方美人さが好きなのですが、
「八方美人」のもともとの意味は、
「どこからも見ても、欠点がない。」
のような意味で使われていましたが、
今では、
「誰にでもいい顔をする人。」
という比喩的表現の風見鶏に似た意味を持っています。
前者は完全な褒め言葉で、後者は皮肉の意味合いがあります。
「日進月歩」も真逆の意味を持つ言葉です。
「とても急速な発展」と「着実な発展」の2つです。
こういうことを知っておくことは、
日常生活ですぐに役立つわけではありませんが、
話の小ネタになることもあります。
さて、随分と脱線してしまいましたが、
「ゆたしく」のもともとは、
しまくとぅばの「ゆたさるぐとぅ」とやまとことばの「よろしく」を合わせた新語で、
簡単に言えば、
正式で丁寧な言い方は「ゆたさるぐとぅ」であり、
簡略化したいわば若者言葉が「ゆたしく」ということだそうです。
ネットで少し調べると、
だいたいそのように書いてありました。
但し書きのようなものに、
「ゆたしく」はあくまでも若者言葉的な意味合いが強いので、
仲の良い間柄で使うのは構わないけれど、
正式な場面では「ゆたさるぐとぅ」を使う方が良いとのことでした。
僕は沖縄にきておよそ20年弱になるのですが、
すでに「ゆたしく」が当たり前のように使われていたので、
そういうものだと思っていましたし、
まぁまぁ、しまないちゃーなので普段使う分には問題ないとは思っているのですが、
ガイドとしてお仕事する場合は、こういったことにも注意が必要だと思いました。
知らないことがあることを知っておくことは大切で、
もし、指摘があれば、真摯に受け止めたいものです。