国指定重要文化財中村家住宅のガイドをしていると、
沖縄の人から、
「本当なら地元の人が知っておかないといけないんだけどね。」
「県外の人がやってくれるなんてありがたい。」
みたいな話をしていただきます。
僕は、
「沖縄の文化を残さないといけない!」
「後世に伝えないといけない!」
みたいな使命感はないですし、
僕は兵庫県出身ですが、
「兵庫県の人は兵庫県の文化に精通していなければいけない。」
とも思っていません。
地元である兵庫県明石のことについてはほぼほぼ知らないと言って良いでしょう。
真面目な話、使命感や義務感とかではなく、
興味がある人がいろいろ調べたり詳しくなったりすればいいと思っています。
地元のことをよく知ってる地元の人がいても良いですが、
結局は、中村家住宅なら、中村家住宅のことについて知りたいと思う人があれやこれやを調べればいいわけで、
中村家住宅の面白さを伝えるのも別に沖縄の人じゃないといけないってことはないわけです。
中村家住宅に興味を持てば勝手に調べるわけで、
中村家住宅に興味を持った人が調べるのは好きにやるわけです。
でも、沖縄県民だから、北中城村だからと、
自分の属性で知ろうとすると、知識欲ではなく、義務感なのであまり良くないと思うのです。
中村家住宅や琉球・沖縄の歴史に興味を抱くのが沖縄の人である必要はないのです。
興味を持った人が調べたり、詳しくなったりすればいいだけで、
前述の通り、僕は兵庫県の歴史や、文化財についてまったく話せません。
もしかすると、兵庫県外の人が興味を持ってガイドをしているかもしれません。
こういった感じで持ちつ持たれつの関係なんじゃないかなと思っています。
あとは、沖縄と兵庫、同じ日本でも別々の歴史を歩んできています。
地理的なものも全く違います。
疑問を抱くために、まずはじめに必要になるのは違和感です。
そういう意味では、違和感を感じやすいという点で、
地元以外の人の方が、疑問を感じやすいため、
知識の掘り下げをしやすいこともあるような気がします。
日本人の家では土足厳禁が基本ですが、
子どもの頃から靴を脱ぐことが当たり前なので、
なかなか違和感になりにくいのではないでしょうか。
土禁の文化には、日本のなんらかな考えが潜んでいるのかもしれません。
実際に県外出身の人がガイドすることも多いようですが、
それは、たまたま興味を持ってガイドすることに意義を感じるのは、
県外と違うところを話しやすいと言ったアドバンテージがあるようにも思います。
県外と違うところがどこかを見つけることが、
あまり旅行に行かない沖縄の人には難しいというのもあるような気がします。
ガイドや研究などは、県内・県外問わず、興味を持った人がやれば良いのです。